この記事では、カンボジアプロジェクトでの活動内容について詳しくご紹介します。
カンボジアプロジェクトDay2
続く二日目は、CWBの運営する農場や、サンボープレイクック遺跡の見学を行いました。案内は現地の方から英語でしていただき、リスニング力や語彙力などが学生達にとって課題に感じられましたが、わかりやすい単語で丁寧に遺跡の歴史や農場の工夫について解説していただきました。
農場では、コンポストという生ゴミなどから堆肥を作る仕組みを利用しており、学生達はその量を量って移す作業をお手伝いさせていただきました。また、農場には鶏などの生き物もいましたが、鶏肉や卵などを販売しているわけでなく、その雛を売ったりすることで農家のサポートを行っていると解説していただきました。
サンボープレイクック遺跡では、初めにゴミ拾いや落ち葉の掃除などを行いました。開けた場所ではBBQなどを行う人も居るらしく、そこで出たビンのフタ等のゴミがアリを発生させてしまうなどの問題を引き起こしているようで、現地の学生達と共同で清掃を行いました。また、ここで集めた落ち葉もコンポストとして堆肥のために使用されます。
サンボープレイクック遺跡は修繕工事が行われていましたが、歴史的な手法で建築されていることもあり、クレーンなどという重機やセメントなどは使用せず、建てられた当時と変わらない材料を用いて一つ一つ丁寧に修復作業を行っているというお話を伺いました。
見学後はクイの村へ移動し、ホームステイ先を訪れました。到着後、クイの村の子ども達が集まる塾へ案内していただき、自己紹介すると生徒たちは名前を呼んであたたかく歓迎してくれました。その後、授業風景を見学させていただきました。授業内容は伝統言語であるクイ語のアルファベットについてであり、子ども達が先生役をかわりばんこにしつつ学んでいく様子を見ることができました。
ダンスやディナーなど様々な歓迎をしていただき、クイの村の未体験な夜を楽しむことができました。
カンボジアプロジェクトDay3
クイ集落での滞在二日目は、まさにアドベンチャーとも思えるようなたくさんの体験をさせていただきました。始めに、い草の敷物を造り生活しているおばあさんのうちへお邪魔しました。いくらで販売しているかや、若い人が仕事を継ぎたがらずに村から出て行ってしまう現状等についてお話を伺ったあと、実際に敷物を編み込む体験をさせていただきました。その場面では英語も通じませんでしたが、手振りや表情から編み方を教えていただき、とても貴重な経験となりました。
その後は少し山の中を進んでいき、かつてクイ族が製鉄を行っていた際の産業廃棄物を処理していた場所へ案内していただきました。クイの村はかつて製鉄が栄えており、ヨーロッパから見ても高品質な鉄鋼を採取する事ができたそうです。ガイドのデンさんは製鉄の流れや当時の他国との関係などについても解説してくれました。
そして最後はクイの村の方々と共に草餅のようなお餅を作りました。お米をココナッツミルクで味付けし、草餅のように巻いてゆでる食べ物で、お祝い事などにいただくそうです。クイの村での食事は、独特な味付けで日本では身近でないと感じることもありましたが、草餅は食べやすく優しい味付けでした。
カンボジアプロジェクトでは、特にクイの村での滞在では、現地の人が準備し案内や体験を用意していただいたため、ガイドの方以外英語が通じる場面は多くはありません。しかし、文化や生活を紹介してくれようと、たくさんコミュニケーションをとってくれました。このような地域滞在の場面では私たちも、言葉の違い等関係なく、受け入れていただく地域の方やその地の文化をリスペクトしつつ、学ぼう、理解しようという姿勢が非常に重要であると感じました。
今回のプロジェクトの目的の一つには、「身近ではないことや不確かなことなどに対する耐性を付け、臨機応変に対応する」という内容がありました。私たちはカンボジアに対し、発展途上であったり日本と比較して不便だ等という印象を抱いてしまいがちな場合があります。一部の人は恵まれていないなどという印象を持ってしまう人もいるのではないでしょうか。しかし、そのような考えは日本人目線の物であり、恵まれているかどうかや不便かどうかではなく、その地域の常識やあたりまえのことであると感じるようになりました。
このように、他の地域の文化を通して自身の考えや価値観を見つめ直すことができたのは、カンボジア滞在の大きな成果でしたが、一方でこちら側はクイの民族に対する事前調査などが十分ではなかった点が課題として挙げられました。
例えば、クイの人達にとってトイレは神聖な場所であり、キレイに保たれているにもかかわらず、私たちはそれを知らずに土足で利用してしまいました。滞在を受け入れてもらう側だからといって受け身でいるのではなく、自分からも訪問前に十分な事前学習をしていくべきだと学びました。
このような反省点は見られましたが、現地の人をもてなすための企画が多かった昨年のプロジェクトと比較し、見学や体験が多かったプロジェクトであったため、異文化理解や自己変容にとても役立つ学びの多い滞在ができました。
ベトナム・カンボジアでお世話になった皆さん、ありがとうございました!