井門 隆夫 のコラム一覧
小規模企業の労働生産性が低い理由
日本では企業の98%を占める中小企業の労働生産性が低く、日本経済全体の足を引っ張っているといわれます。宿泊業でも94%が資本金5,000万円未満の中小企業です。さらに全体の60%と過半数を占めるのが資本金1,000万円未満の小規模事業者で、1万3千社もあります。そして、その1万3千社全体のバランスシート(法人企業統計調査)をみると、1,755億円の債務超過です。つまり、全財産を売り払っても返済がで…(続きはこちら)
2020/05/21 15:57
ポストコロナに向けて
未曾有の危機に際し、地域の宿泊業が今何をすべきかと考えた時、資金繰りを第一にコストを最小限に抑え、今のところは耐え忍ぶしかありません。おそらく多くの皆様が思っていることと同じです。休業せざるを得ないことにも忸怩たる思いだと思います。宿泊業は社会の公器であり、必ずしもレジャー目的の方々ばかりをお泊めしているわけではなく、社会を維持する上で必要な宿泊もあるためです。中には、休業をせずに営業を継続する宿…(続きはこちら)
2020/04/25 14:07
資本主義がレガシーになる2020年
令和2年。2020年が幕を開けました。2の並ぶ年。後に思い出すと潮目が変わった年として記憶されているかもしれません。 思えば、30年前の1989年。ベルリンの壁が崩壊した年に始まった平成は、歴史上大きなターニングポイントとなる時代でした。 昭和後期の1971年に変動相場制導入が発表され(ニクソンショック)、通貨が金という実物貨幣から信用貨幣へと変わり、国の信用で国債がじゃぶじゃぶ発行され始めたこと…(続きはこちら)
2019/12/30 18:01
ペットボトルはダサい!?~コスト削減をチャンスに
コンビニやレストランのストローが徐々に紙製に変わりつつあります。レジ袋の有料化も一気に進むことでしょう。ラグビーW杯で日本を訪れたフランス人が日本で未だプラスチック製品が多いことに驚いたと紹介されていましたが、やっと日本も世界に近づこうとしています。 そもそもなぜペットボトルやレジ袋といったプラスチックがだめなのか。地球温暖化防止のためとは頭でわかっていながらも、身に付いた使い捨て習慣は簡単には消…(続きはこちら)
2019/12/30 17:59
地球温暖化と男子の貧困化~取り組むべき2課題
台風19号が猛威をふるいました。毎年のように異常気象が続きます。対処療法も限界です。地球温暖化が原因であれば、世界中が進めているように日本も国民全体で意識を高め、対策を練る必要があるような気がします。 そのほかにも、団塊の世代が都会に出てきて始まった少子化。地方の女性の減少や女性の社会進出による晩婚化、未婚化と女性が原因のように言われますが、そうではないような気もします。 いずれにしても、今後少子…(続きはこちら)
2019/12/30 17:58
オーバーツーリズム解消はコミュニティの力が不可欠
観光地の許容量を超えて旅行者が訪れるオーバーツーリズムが世界各地で問題になっています。その多くに共通するのは、その地のポテンシャルに比して地価が安い国に売却益目的の不動産投資が続く結果、宿泊キャパシティの過剰な増加や地価の値上がりを誘発している点です。日本でも東京や京都、ニセコ等でマンション価格が急騰していますが、マナー問題以上に、住民が家を売って出ていき、都市の空洞化を招いてしまうおそれが危惧さ…(続きはこちら)
2019/12/30 17:55
思い出で終わらない観光をつくる
粟田神社、藤森神社、建勲神社、豊国神社と聞いて、ピンとくる方の年代は何歳くらいでしょう。 戦国武将を祭る京都の神社を巡るのは20代女子。シニアをはじめとして各年代の旅行実施率が下降の一途をたどる中、唯一健闘している年代です。彼女たちはスマホのRPG(ロールプレイングゲーム)「刀剣乱舞」に登場する刀剣の御朱印帳を集めにリアル京都を巡ります。聖地は全国に点在しているので、500万人以上のユーザーが今日…(続きはこちら)
2019/03/17 18:20
国内旅行実施率と労働生産性の関係
国内観光宿泊旅行実施率の下落が止まらない。一時はF1世代(20~34歳女性)が頑張ってくれていたが、いよいよ全ての年代で下落が始まった。(図1) なぜ、観光宿泊旅行実施率(以下、旅行実施率)が下がるのか。仮説として「実質賃金の下落」がその理由として挙げられる。 厚生労働省で調査をしている「実質賃金指数」を1年ずらして旅行実施率のグラフに重ねてみる。すると、ほぼ同じ動きになっていることがわかる。つま…(続きはこちら)
2018/03/10 15:46
旅館生産性向上における未知の窓
7月27日付けの報道で、観光庁は「宿泊産業の競争力強化と地域観光の活性化に向けた課題を整理。その一つとして複数の旅館が企業や地域の壁を越えて連携し、コスト削減と顧客への付加価値サービスの充実を両立することを促す」という検討会の方向性が示されていました。そのために、「複数の旅館が共通入浴券の発行で連携するといった共同集客のほか、タオルや食材などを一括で大量に仕入れて納入価格を抑える活動」や「旅館同士…(続きはこちら)
2017/07/29 13:25
旅館業の労働生産性を高めるために
最近、有難いことに、政府が旅館業の労働生産性向上について採り上げてくれる機会が多い。生産年齢人口が減少し続ける時代にあって、GDPを高める上では生産性向上しか方策はないし、サービス経済化の中で、今後、海外からの旅行者を獲得していく上でも、地方に多い旅館業の生産性を高め、日本の魅力を体感できる受け皿を確保していくことが国としても必要だということなのだろう。 そのため、観光庁主導で生産性向上に向けた様…(続きはこちら)
2017/05/25 23:45