井門ゼミの特徴
1.ゼミ活動井門ゼミでは「観光人類学(コミュニティ・ベースド・ツーリズム)」や「宿泊業経営」「観光マーケティング」からのアプローチをもとに、「人口減少・定常経済時代に生まれる需要を想定した、これからの新しい観光・ツーリズム」に関して、学生自らが独自の研究テーマをみつけ、研究(問いからデータを調べ、仮説を作り、現地で検証していくという一連の作業を1年以上かけて)していきます。その過程では、夏と冬にプロジェクトを行い、研究テーマ発見のヒントとするとともに、ぬるま湯のような日本や都会を出て、異文化への環境適応力や自ら行動できる主体性を育み、社会で不足しがちな汎用的能力の養成にもつなげます。
夏のプロジェクトは、アジアのコミュニティに滞在し、日本では決してできな様々な環境や生活の体験をしながらコミュニティ・ベースド・ツーリズムを学びます。詳しくは、井門ゼミのinstagramやFacebookを参照してください。その際、アジアは不潔?という思い込みを持つ方もいますが、水道水を蛇口から飲めるのは世界9か国しかありません。残りの国は上水整備の事情や雨水や中水を使っているので飲料水はミネラルウォーター(有料)です。水は無料でも、私たちは食べ物はほぼ輸入品で暮らしています。森や海が荒れ、虫も鳥も年々減り、食糧もエネルギーも他国に依存する日本のほうが異質だということも、世界に出ると客観化、相対化することができると思います。それも、いつでも行ける観光地ではなく、学生時代のゼミでしか行けない地を楽しみましょう。フットワークの軽い方、大歓迎です!
冬のプロジェクトは、新潟県の豪雪の温泉街・松之山温泉で「松之山温泉ふぇすてぃBAR」という飲み・食べ歩き企画を地元温泉組合の皆様とともに企画・実践します。この企画を通じて、PR・集客・仕入れ・オペレーション・収益管理などイベントで必要な一連のマネジメントやマーケティング学びます。
2.よく言われること
井門ゼミはよく「飲みゼミ」と言われたりします。曾祖父まで滋賀県大津で蔵元を経営していた井門家の血を引くため酒が好きで詳しいという私自身のせいも多分にあると思いますが、ゼミ生が帰省の度にお土産として地酒を持ち帰ってくれるので、研究室には酒のストックが多いという事情もあるかと思います。ただ、お酒を飲めない方や未成年に飲ませたりはしませんし、飲酒で騒いだり、吐いたり、寝たりすることは厳にしないよう皆心がけています。日本の酒づくりはユネスコ無形文化遺産ということもあり、ゼミ生は全員(飲まずに香りや味わいで学ぶ)日本酒ナビゲーターという資格も持ち、就活でも活用しています。ゼミでの飲み会は、半期に1度くらいです。むしろ、硬水や軟水、醸造の仕方、風土や素材により風味の変わる日本のお酒に関する知識を学ぶことも日本人として必要なことだと思います。お酒は美味しく少しずついただくものですので、飲み放題で飲むことはほとんどありません。皆さんも社会に出る前に社会人として覚えておくべきお酒のマナーや自分自身の適量をぜひ覚えてください。もちろん、お酒を飲めない方でも歓迎です!
3.近い距離感
最近の皆さんは「距離感」と「価値観」という言葉をとても重視していると思います。そういう意味では、井門ゼミは、学生間や学生・教員間の距離感は比較的近いほうだと思います。ENFJ(時々ENFP)のおせっかい性もあるのかもしれません。笑
生活をしていると、ご家族や友人には聞けないこともあると思います。つらいこと、悩みや迷い、人間ですから誰もそうした本音を持っていると思います。そんな時も私はマージナルマンとしてできる限り見守っています。就活や転職時には企業の本音を想定しながらESの指導もします。OBやOG会も多いのですが、だいたいそれはだれかが転職した時、つらい思いをしている時などに励ますために集まります。今は皆さんの相談相手はAIで十分なのかもしれませんが、AIはいつも誰にも同じ答えをします。人生でもっとも大切なものは「人脈(つながり)」だといつか気づくと思います。「価値観」とは一人ひとりの個性です。しかし個性は成長とともに変わります。もし自分の価値観やAIしか尊重しないのであれば、人脈消去法の人生を歩み、最後は孤独になってしまうでしょう。一人ひとりの個性を認めて尊重し、人脈を広げ、孤独を避け、心理的安全性を保つためにも、将来まで同窓会で「つながり続けるゼミ」でありたいと思っています。
4.井門ゼミの卒業論文(テーマ例)國學院大學1期生
・日本におけるエコツーリズムの一考察―対馬における事象研究
・日本社会におけるジェンダーステレオタイプの持続と変化―さす九を手がかりとした九州地域における男性像の変容
・“推し活”は人々の恋愛観や結婚観をどう変えるのか?ー松之山温泉を舞台とした「温泉むすめ」ファン(ぽかさん)との交流から読み解く“つながり”の再編
・過疎地域移住者によるまちおこしプロセス―島根県大田市温泉津町を事例に
・離島キャリア教育における社会的移動の有効性―奄美大島宇検村のキャリア教育プロジェクトを事例に
・観光におけるCo2排出量削減の可能性―intrepidのメソッドに関する実証的考察
・経済成長に伴う制度化がもたらした路上空間の変容―インドと日本における空間の変遷から見る「共」の喪失と再生
・「ゆんたく」は観光資源になりうるか―沖縄の地域文化を活かした持続可能な観光モデルの可能性
・一人当たりのゴミ排出量が少ない地域のリサイクル方法の応用へ向けた予備的考察―徳島県上勝町の事例調査を通じて
・日本の老舗クラブは社会資源になりうるか―社会的処方による社会的孤立の問題の解消
・中部山岳国立公園における山小屋の持続可能性―中部山岳国立公園の山小屋を事例に経営の転換を探る
・温泉一人旅におけるポリヴェーガル理論適用の可能性―現代湯治はセラピーとなり得るか
5.井門ゼミの就職先(観光まちづくり関係の例)國學院大學・高崎経済大学・文教大学の一例
(株)セルリアンタワー東急ホテル(宿泊・婚礼)/(株)藤田観光/(株)ホテルオークラ東京ベイ(宿泊・婚礼)/(株)KPG HOTEL &RESORT(宿泊・婚礼)/(株)星野リゾート(宿泊・婚礼)/(株)アパグループ/(株)バリューマネジメント(宿泊・婚礼)/(株)カトープレジャーグループ(宿泊・婚礼)/(株)JTB(旅行・まちづくり)/(株)東武トップツアーズ(旅行)/(株)さとゆめ(まちづくり)/(株)ANAエアポートサービス/(株)日本貨物航空/(株)八十二銀行(金融)/(株)大成建設(建築・まちづくり)(株)プライムコンセプト(コンサルティング)/(独)中小企業基盤整備機構(リサーチ・コンサルティング)/長野県庁/群馬県庁/京都市役所/高崎経済大学大学院地域政策研究科/相模女子大学大学院社会起業研究科
6.井門ゼミを志望する皆さんへ
・井門隆夫研究室のページ(このサイト)や新エコロッジ研究室、國學院大學の井門ゼミinstagramやFacebookページ、それぞれちょっと古いですが、高崎経済大学井門ゼミ1~8期FacebookページやInstagam、立教大学観光学部井門ゼミ1~3期Facebookページ、文教大学国際学部井門ゼミ1~4期Facebookページ、オープンゼミや個別相談での情報を参考に、具体的なゼミ活動を十分理解したうえでエントリーしてください。楽しそうな面ばかりしか発信していませんが…基本の雰囲気や活動はほぼ同じです。質問があれば遠慮なくしてください。ゼミ活動に対する理解度の高さや具体的志望動機、挑戦心や意欲が選考基準となります。部活との両立は十分にできますが、ゼミのある日は(サブゼミになる日もあるため)できるだけアルバイトを入れないようお願いします。アルバイトよりゼミ活動が優先となります。
・トラベルボイスでは、定期的に井門が連載や特集記事を執筆していますので、参考にしてください(井門で検索)。
・プロジェクトは原則全員参加となります。2025年はカンボジア・タイ(夏)と松之山温泉(冬)で実施しましたが、費用は25万円(夏)+5万円(冬)程度必要となります。冬はプロジェクトの原価を含みます(利益が出れば相殺されます)。プロジェクト以外の出費(懇親会や希望者での視察旅行等)は全て任意となります。
7.研究室訪問・チャットでの質問
質問のある方はTeamsチャットやメールで質問してください。
(井門ゼミに向かない人)
・日本を出たくない人(海外に行きたくない人)
・酒飲んで騒いだり酔いつぶれる人
・ゼミで楽をしたい人









