ガストロノミーとソロエコノミー
こんにちは。山田祐子です。
9月24日に長野県山ノ内町で行われました「信越県境地域づくり交流会」にてお話をさせて頂きました。テーマはガストロノミー。ご参加くださった皆さま。ありがとうございました!
メインの講師には、ガストロノミーを牽引する自遊人の岩佐さん。 事例発表では、渋温泉で小石屋旅館、秋山郷で雄川閣、旅館業の他にもインターンシップや旅行業を手掛ける石坂さん。「WAKUWAKUやまのうち」や長野県内で地域再生に奮闘される中尾さん。 という盤石な布陣だったものですから、私は唯一の余所者として「ガストロノミーって誰のため?」という、そもそも論を4つのトレンドワードから話題提供させて頂きました。
1.ソロエコノミー
2.ワーケーション
3.分散型ホテル
4.SDGs
その後の懇親会で参加者の皆さんから一番多く頂いた反応は「ソロがくるのかぁ。確かになぁ。」という言葉でした。きっと身近に感じられているのでしょう。 ソロとは、既婚未婚にかかわらず単独で行動しながら消費を好む人のことですね。
ソロにとって至高の欲求とは、「社会的役割」だそうです。(ソロエコノミーの逆襲 荒尾和久著)
ガストロノミー(仏語)とは、様々な解釈はあると思いますが「食文化や料理を考察する」と訳されるようです。
旅先での食事風景に置き換えるなら、植物や動物などあらゆる食材、生産者、流通、加工者(料理人)、提供者(飲食店)など、食を取り巻く「社会」を理解し共感したうえで食事をする、ということなのだと私なりに解釈しました。
「『おいしさ』の錯覚 最新科学でわかった、美味の真実(チャールズ・スペンス著)」によれば、人の味覚ほど怪しいものはないそうです。 人には五感というものがありますが、味覚ほど他の感覚に左右されるものはないというのです。
「おいしい!」と人が感じることも千差万別。「おいしいね~。」「うん、そうだね。」という付き合いたてのカップルの会話でもあるまいし、「私のおいしい!は、私にしか分からない。」はずなのです。
となれば、「ガストロノミー×ソロ = 社会的役割の実現」という図式。腹落ち感がありませんか?
したがって、地域、旅館、飲食店にとって、ガストロノミーを消費者にとって価値あるものにし、事業にしていくには、食を取り巻く「社会」の情報整理が何よりも大切のように思います。「東北食べる通信」が世の中に受け入れられているのが代表例ではないでしょうか。
私は日頃から地域の旅館や食堂で食事をさせていただくことで感動や学びを頂いているにもかかわらず、これまで深く追求することはありませんでした。反省です。
そんな私のような人のために11月号の自遊人は「ガストロノミー」を総特集。お勉強します🐾
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