山菜蕎麦は売らない!-川場田園プラザ
こんにちは。山田祐子です。
集客力日本一!の道の駅で知られる群馬県川場村の道の駅「川場田園プラザ(通称田プラ)」。
「年間190万人の集客数は旭山動物園と同じなんです。」
「コンセプトは最高!勉強先はディズニーランド。」
そう語るのは、株式会社田園プラザ 代表取締役 永井彰一氏。 赤字続きの組織改革に着手され実績を出されている注目の経営者です。
観光ルート上にものらない袋小路のような農村に人が押し寄せる魅力づくりとは。あらゆる地域ビジネスに参考になる要素を講演会でお聞きすることができましたので、 私の雑感も含めて整理させて頂きました。
1)「山菜そば」は売らない!
「経営者が売りたいものとお客様が欲しいものは一致していない。」
「地産地消で自己満足に陥るな。」
これらの二言に、社長の徹底したマーケティング志向が表れていたように思います。
食べるための食材を買いに来ているのではないんですよね。
大切な人の生活を想像しながら。自分の生活の楽しみに。お買い物しているのです。
だから、店のデザインやパッケージにはエルメスやディーン&デルーガを意識。
「山菜そば」を否定されているのではないんですね。 過去に刷り込まれた田舎の食の概念をブチ壊す。 そのぐらいトップが断言しないと、公共の施設は儲けの体質にはなれないということなのだと思います。
ただ、「流れの早いものは開発しない。」というポリシーお持ちとのこと。例えば、 都内で乱立する「タピオカドリンク」などのファッションフードはやらない。 既存顧客も潜在顧客も東京を中心とした来場者数は限られることを意識されているようです。
2)スイッチは外車の数
田園プラザの魅力を高めている一つが「プレミアムシリーズ」。 少量だけど高品質で高単価。東京へ出しても違和感のない商品群です。
「果たして売れるのか…?」 という判断が難しいところですが永井社長は一言。 「外国社製の車が増えてきたことを確認し判断しました。」と。 来場者の商圏は広がり高所得層が来場しているという手応え。 これは現場にいないと分からない感覚ですよね。
永井社長のお話を聞いた数日後。予言通りとでも言いましょうか。メルセデス愛好者に沢山の野菜や果物を頂きました。
外国車製の車=高所得者
という図式が日本では根強いことから、 宿業も敢えて人目に目立つ玄関先に外車をパーキングするということを行います。 となれば、中古でいいから外車を数台買って ディスプレイしておけば‥という発想にもなりかねません。送迎車を高級車にするイメージ戦略もあります。しかしながら、外車志向は男性の方が強い。でも、旅行消費の決定権は女性にあることも多い。ですので、実際のオペレーション業務の改善と実行を行った後、行うなら最後の指標にするぐらいのほうが良いのかもしれません。
3)ボトムをつくらない
人気の田園プラザですが、やはり、曜日波動や季節波動は避けられず対応を図っておられます。
・平日の客単価をあげる → 平日限定メニュー
・週末は五感に訴求する商品 → ファミリー向け
という対策はもとより、ビールやチーズの製造販売にも取り組まれているそうです。
そんな永井社長は、米国と川場村のデュアルライフをされていらっしゃるとか。
この先に目指すはディズニーランドの本拠地アメリカと仰せです。
「Mall of Japan project」という日本市を構想。行ってみたいですね。
サービスやエンターテインメントはゴールがない。
だから高い期待値を常に超えていきたい。
医療や福祉と違って消費活動を促すという点では、観光業は無限大です。
そんなワクワクする永井社長のお話を聞いていましたら、晩秋の川場村で 山賊焼きとお酒でフハフハやりたくなってきましたよ。🐾