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2019/09/05 15:24

宿とソロ女の関係

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こんにちは。山田祐子です。

WEBメディア「日経ARIA」の企画「時にはひとりでお籠もり旅」にて「スーパー民宿」を推薦&紹介させて頂きました。 ※「スーパー民宿」についてはこちらの記事をご参照ください。

民宿や旅館で「おひとりさま」を受けている宿は徐々に増えていっている印象ですが、「おひとさまOK」と「おひとりさま歓迎」では大きな違いがあるようで、「歓迎」となると急に弱腰になってしまう宿がほとんどです。

「平日でしかも他に予約が入っている日であれば歓迎。でも「週末に1人で」となると歓迎とは言い難い。」というのが宿の本音でしょう。 客室数が少なければ「少しでも売上額をあげたいから」という気持ちは十分に分かります。 ですが、「おひとりさまだからお金を取れない」と思ったらミスリードです。

「おひとりさま」と呼ばれる「ソロ」の消費は、量質ともに宿の救世主になっていくことは数字よって語られているのですから。

それらの事情を「ソロエコノミーの襲来(荒川和久 著)」から抜粋してみましょう。

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・現在の日本では、65歳以上の高齢者より独身者の方が多い。
・2040年には、独身率が45%にもなり日本は独身国家になる。
・特に65歳以上高齢ソロ女が激増する。
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「ソロ」が増え社会化することは、人口減少や少子高齢化とともに避けられない未来のようです。ここでの「ソロ」とは「未婚者」を指すのではなく、離別や死別をした単身者や、既婚者でも「ひとり」で行動する者を指しています。

量が増える事は分かりましたが、次に質はどうでしょうか。つまり経済効果です。

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女性は、収入が高いほどソロ率が高く、男性は、収入が低いほどソロ率が高い。
・女性の未婚率(36%)の平均年収は1200万円以上。
・男性の未婚率(40%)の平均年収は400万円未満。
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ものすごい経済格差ですよね。ソロはソロでも男より女の方が消費意欲が高くなることが分かります。

ソロの消費行動は「ソロ活」と呼ばれていますが、では、ソロ女は「ひとりで行ける場所」としてどのような場所を選択しているのでしょう。

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・カフェ喫茶店(90%)
・ファーストフード(87%)
・映画館、シネコン(79%)
・国内旅行(73%)
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というようなランキング。「ソロ女」たちは旅行へ時間もお金も投資をしているのです。対して最下位は「キャンプ」。「ソロキャンプ」という言葉もありますが、実態はまだまだのようです。 また、「ソロ」は、衣食住のような現状維持費ではなく、教養・勉強・趣味など現状変革費にかける傾向があるといいます。 これは見逃せない数字ですね。

ということは、
宿×趣味
宿×教養&勉強
というコンテンツが、量質ともに需要があるソロ女の大好物ということになりませんでしょうか。

宿経営には、季節波動、曜日波動を平準化させる、という命題があって、 これまでは「平日はリタイヤ世代を。休前日は現役世代を。」と集客するのが王道であったと思います。これからは、群れるのを嫌い 平日・休前日を問わずに行動する「おひとりさま」に注目せざるを得ない時代も近いのではないでしょうか。

「料金を多く支払うのは構わないから、いい思いをさせて欲しい。」
そんな声が私の周辺からは聞こえてきます。

既婚未婚にかかわらず、個人化している時代だからこそ「一人一人がつながること」が価値のあるものになる。 「おひとりさま」が旅先や宿へ「つながり」を求める可能性は大いにあると私は思います。

民宿や旅館に泊まる動機としては美味しい食事が強くなるわけですが、さすがに一泊二食の2名料金を「おひとりさま」へ請求するのは受け入れ難いと思います。 まずは、部屋代と1人分の食材費と人件費が捻出できる金額を「おひとりさま料金」として設定することから始められないでしょうか。 もちろん、平日料金と休前日料金があってよいと思います。

平日は、65歳以上のソロ女ねらい。
休前日は、20歳~50歳代のソロ女ねらい。

そんな、ふっきれた宿が登場してきてもおかしくないと思いませんか?
しかしながら、「ソロ女専用の宿」については私は反対。一般的に人間の欲求の最も高次元にあるものは「自己実現」とされますが、ソロの場合は「自己の社会的役割」だそう。つまり、「宿主や同宿者という社会(コミュニティ)のなかで過ごし、自分を俯瞰できる場」こそソロ女が宿へ求めている価値だと私は感じているからです。🐾

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