公共の宿ベスト4!
「公共の宿」とは、読んで字のごとく公的機関が経営および運営を行う宿のことを指しますが、その金額からは驚きの料理やサービスを提供している公共の宿があります。過日、TBSテレビ「Nスタ」の特集コーナー(2018年6月5日放送)で紹介した宿は以下の通り。
関東エリア「公共の宿」ランキング(TBSテレビ「Nスタ」編)
●4位 休暇村 南伊豆
全室オーシャンビューで全室ベランダ付き。風光明媚な弓ヶ浜が目の前のロケーション。リノベーションされたロビーは明るく開放的。趣きの異なる湯船を楽しめる露天風呂も魅力的。
●3位 国民宿舎 サンライズ九十九里
九十九里浜の中央にたつ白亜のホテル。大海原に昇る朝日を見ながら入る露天風呂は最高!名産のイワシを地元流に食べさせてくれるのもいい。東京駅から直行バスが出ているのも便利。
●2位 休暇村 那須
ファミリー向けホテルの激戦区である那須エリアに、この値段で泊まれるのはお得!休暇村が力を入れる体験プログラムも充実していて大人も子供も楽しめる。
●1位 国民宿舎 鵜の岬
予約が取れない公共の宿の代名詞!4名で泊まると一万円以下という金額で、大海原を見下ろす温泉大浴場と丁寧な仕事がされた和食膳が堪能できる。名物支配人が育て上げたスタッフたちの明るい笑顔も「また来たい!」と思わせる人気の秘密。
「公共の宿」と呼ばれる主な施設の特徴はこちら。(2017年 現在)
●かんぽの宿
日本郵政株式会社の運営する、全国49施設ある宿。2007年の民営化前までは、保険加入者対象の福利厚生施設であった。(民営化前に約30施設が閉鎖。民営化後にも約16施設は運営者が変わっている)その特徴は、もともと高齢者向けの保養施設だったこともあり、有名温泉地にある場合が多い。バリアフリー対応も進んでいる。
●休暇村
一般財団法人休暇村協会が運営する宿。現在、全国で37施設。特徴は、抜群のロケーション。環境省傘下の団体だけあって国立公園や国定公園のなかにたつ。自然を生かした体験プログラムが充実しておりファミリーにおすすめ。
●国民宿舎
地方公共団体が運営する宿。一般社団法人国民宿舎のHPで閲覧できる宿は全国で93施設。環境省が指定した国民保養温泉地や公園の近くにたつ。温泉の良さもさることながら廉価に食事を楽しめる。
ランキングした宿がある場所は、いずれも巨大マーケットである首都圏から近い有名観光地。よって、その利便性から宿のアキレス腱である平日にシニアを中心に集客することが可能となり客室の稼働率も好調です。また、「国民宿舎 鵜の岬」をはじめ宴会場をもつ宿では地元客の法要や宴会などの営業を積極的に行っており欠かせないキャッシュポイントになっています。
こうして、高い客室稼働率を維持することで得た利益を、施設の改修や改装に費やすことで「公共のわりには綺麗ね。」という好循環と高評価が生まれています。
もう一つには、雇用の問題。公共の宿で働く従業員のほとんどは幹部を除いて地元採用。地域の雇用を生み出すことも公共の宿のミッションの一つです。いわゆる全国チェーンのホテルや民間の旅館と比較すると、地元の高校を卒業して入社したスタッフ、パートさんやアルバイトさん達が多く働いています。そしてランキングに入る宿はスタッフ教育にも力を入れているため、サービスの品質は民間のホテルや旅館のレベルを超えるほど。
民間の事業者には成し得ない圧倒的なロケーションのアドバンテージと、廉価な人件費を維持できる地元採用によって「安価で良質」という価値が生まれているといえましょう。最近では、実力のある民間事業者が指定管理を行うことで人気を博している宿もあります。今後も公共の宿の動きに注目です。