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2016/09/16 15:03

オープン旅館のメディア対策~ケーススタディから~

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こんにちは。山田祐子です。
2014年が明けてから早くも四半期が過ぎてしまいました。私個人的には4月から大学院に通うことになるなど刺激的な一年になりそうです。

さて、今年もオープン旅館の情報が集まってきました。ここ数年は「オーナー変更後に完全リノベーションしオープンさせる」案件ばかりですが。今回のコラムでは、私が参加した3案件をケーススタディとし、“オープン旅館の効果的なメディア対策”を考えてみたいと思います。

ケース1 発表会開催 型 ~リソース。プラス、ビジョン~

星野リゾート‐界 川治/界 日光
kai-ryokan.jp/

先日、都内で行われた定例プレス発表会に参加してきました。
「星のや」シリーズでは、軽井沢の日本料理新メニュー、竹富島のスパメニュー、トマムの新施設について。「界」シリーズからは、「川治」が6月1日、「日光」は5月8日に開業されることが発表されました。日光下駄を履いたスタッフのパフォーマンスも印象的でしたね。ここまでは通常ある形式でしょう。一般誌の方達はこの時点で退席される方もいらっしゃいました。しかし、星野リゾート発表会の真骨頂はここからです。

星野代表からのプレゼンが始まりました。

1.100周年の記念事業「100の笑顔旅」について
  インバウンド戦略の一環。日本側ガイドと外国人旅行者を繋げるマッチングサイトを構築する。(6月以降実施)
2.消費税8%対策について
  「どんとこい8%」http://hoshinoresort.com/sp/don8/
3.リート投資法人の現状について
4.「星のや」「界」ブランドの拡大と方向性について

メディアいっても新聞と雑誌、一般誌と業界誌とでは読者に伝えるものが異なります。本会は、それらの特性を把握したうえでの構成がなされていました。
また、これらの発表内容は社外だけではなく会場に居合わせた社内スタッフへのメッセージとも受け取れます。明確なビジョンこそが社員の志気を高めることだと私は思います。この計算しつくされた発表会。参考にしたいものです。

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ケース2 宿泊ツアー催行 型 ~オフ期を活用“二毛作”~

GMOクリック・インベストメント‐玉峰館
www.gyokuhokan.jp/

大正時代創業の伊豆河津にある「玉峰館」。
前経営者から譲渡され「GMOクリック・インベストメント」によって昨年5月にリニューアルオープンされました。私が参加したのは2月に催行されたメディア向けツアー。仕切ったのはPR専門会社。宿泊施設に関わらずグループ内の案件を扱うといいます。
メディアに向けてはさすがプロ。募集から当日の催行まで段取りがスムーズです。当日も、本社サイド、現地の支配人、料理人まで絶妙な連携をみせてくれました。これまた、ここまでは通常ある形式でしょう。

本ツアーの特徴は催行された時期にあります。オープンから半年経っていましたが、メディア関係者の招待は今回が始めてだと。もともと部屋数が少ないため、今になってしまったといいますが、一年で最も集客する“河津桜”の前に充ててくつところも抜け目がないですね。

メディアは、「これからオープンする」「オープンしたて」の時は、盛大に取り上げますが一度オープンしてしまうと、ある程度の期間を経ないと再度取り上げることはありません。
その点、オープンから勢いでもってきたところの閑散期に、プレスツアーをバチンと充てる二毛作作戦。これは有効だと思われます。直ぐに芽は出ませんが、頭の引き出しの一番手前にインプットされますので、種まきは必要なのです。

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ケース3 試泊優待 型 ~深く踏んで高く飛ぶ/ソフトオープンの設定~

~里山十帖 – created by 自遊人~
www.jiyujin.co.jp/stay/

日本人の生真面目さからなのか、ホテルや旅館がオープンするとなると「万事OK、そしてテープカット!」という、ガチガチのオープンを迎えるのが日本流。「使えない所があるなんてお客様に申し訳ない!」と。

確かに設備や備品は完璧かもしれません。しかし、問題はサービスのオペレーションです。ギリギリのスケジュールのなか、サービスの訓練も成されず、お客様をお待たせしてしまう、館内の備品や案内版も不十分。それでは、メディア関係者はもとより、一般のお客様をガッカリさせてしまう要因となるでしょう。

その点、越後魚沼の豪雪地帯“大沢山温泉”にオープンした里山十帖では、ソフトオープン期間を設けプレス関係者の招待の期間としていたようです。徐々に露出を増やしながらリクエストがあるお客様には予約を受ける。うまいやり方です。その間は、夏のオンシーズンに向け改善を図る助走期間としているのです。グランドオープンは5月17日。

このやり方は、自遊人さんが出版事業や飲食事業などを多面展開しており、スタッフは横断的に仕事を続けられるからこそ出来るモデルとも言えますね。しかしながら、今では宿業一本で始められる事業者の方も少ないでしょう。「ソフトオープンとメディア対策を並行する」ことはオープン施設の効果的発信と言えるのではないでしょうか。

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おわりに。
私は宿へ取材依頼するときに「いくらですか?」と聞かれることもしばしば。
まずは、取材の書き手と広告営業マンの違いを理解することから広報戦略が始まるのだと思います。

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