エリア・アイデンティティを再構築しよう
エリア・アイデンティティの再構築
訪日外国人客数1000万人を達成しました。次は6年後の2000万人に向け、さらなる飛躍を期待したいですね。今後は、かつて日本人客がたどったように、リピーターが増えるにつれ、「団体から個人へ」とシフトしていくでしょう。
その過程では、ゴールデンルートばかりではなく、全国各地に外国人客の興味が向くと思うので、各地で受入れ側としてのインバウンド推進政策が展開されることでしょう。
しかし、一点気になることがあります。それは、インバウンド、イコール商圏拡大になるため、「エリア・アイデンティティ」の再構築が必要なのに、それがまだできていないような気がする点です。
商圏を広げるためには
例えば、名古屋。現在「昇龍道」プロジェクトとして、セントレアから岐阜・富山を通り石川へと続く、中部圏一体となったインバウンド推進策の中心地であり、起点でもあります。
が、空港の名前は(スリーレターはNGOなのに)「中部」だし、もしかしたら、外国人には、名古屋よりも「豊田」や「高山」「金沢」の知名度の方が高いかもしれません。そのため、将来に向け、インバウンド個人客を誘致していくとすれば、ゲートウェイ都市である名古屋ブランドの一層の強化を図るべきだと思うのです。
そのためには「グレート名古屋圏」を設定し、名古屋駅や空港・名古屋港発着の高速バスやオプショナルツアーの整備を図る必要があるでしょう。
周辺には、豊田、瀬戸、犬山といったエリアもありますが、これらの街も外国人にとっては「名古屋」。海外で売るのであれば、ホテル名にも「NAGOYA」を冠してよいと思います。
というと、その地の方は憤慨されることでしょう。地誌も歴史も風土も名古屋ではない!と。その通りなのですが、それを仰っている限り、商圏拡大は難しいと思うのです。そのための「広域連携」だと思うのです。これは名古屋に限ったことではなく、全国各地にあてはまります。
なぜ「千葉ディズニーランド」ではないのか。海外プロモーションを進めるうえで、ぜひ一緒に考えていきませんか!
(トラベルニュース1月1日号「井門隆夫のCS宣言」より)