お熱くないのはお好き?~旅館の風呂の温度~
こんにちは。山田祐子です。
あたたかい温泉が恋しい季節となりました。
国民栄誉賞に輝いたレスリングの吉田選手も「ご褒美は?」の質問に「温泉旅行!」と答えていらっしゃましたね。
「温泉ラブ。」
これは日本人のDNAにすり込まれているようですね。
「ぬる~い」のがいい
少し前ですが、ぬる燗にこだわった日本酒の店がオープンしたそうです。
私は利酒師の資格もとってしまったくらいの日本酒好きですが、やっぱり日本酒の良さを堪能するなら「ぬる燗」がいいですね。舌の上でコロコロと転がしながら“じっくりゆっくり”やるのがいいです。
人肌にすることで酒の成分を分解しやすく体への負担が少なくて済み、悪酔いがしにくくなるそうです。
さて、温泉はどうでしょう?どのぐらいの肌感が好きですか?
私は猫舌ならぬ猫肌なので、「ぬる湯」が大好き。
名湯に「ぬる湯」あり
その「ぬるさ」を求めて、多くの温泉ファンが訪れるところに、下部温泉や古温泉がありますが、その一つ栃尾又温泉は細胞を活性化させるといわれるラジウム泉で古くからの湯治場です。
全国にある温泉旅館の大浴場では、半身浴をしながらお喋りを楽しむ女性の姿が見受けられますが、
ここでは、その反対。
誰もお喋りすることなく、深い浴槽に体を沈めて、顎の下まで浸かるのです。
まるで瞑想タイムです。
源泉の温度は熱くも寒くもない37度。人肌ってやつです。
長時間でじわじわと発汗をし、体はリラックス状態。自然治癒力が高まっていくようです。
他の温泉旅館はどうでしょうか?
「熱つ湯」にする旅館の理由
日本の温泉の条件の一つは温度が25度以上であること。
つまり、有効な成分が含まれていなくても「温泉」となるのです。
熱いお湯のほうがすぐに温まるので、男性やお年寄りには好きな方が多いし、旅館にとっても客回転はいい。
入浴者の苦情(ぬるい!)も格段に少ないのは事実です。
そのため源泉がせっかくの「ぬる湯」でも、ボイラーを焚いて加温して「熱つ湯」にしている宿が主流です。
温泉に期待できる効果を正しくお客様に伝えて、無駄なエネルギーを見直してみませんか。
そのためには、湯船の深さ、長湯を楽しんでもらえる工夫(湯船に持ち込める本など)、羽織物のなどの用意が必要ですね。